不動産売却のときに耳にすることの多い抵当権という言葉ですが、その仕組みや役割はご存知でしょうか。
抵当権とは、いわゆる「担保をとる」という意味で住宅ローンを利用して不動産を購入するときは必ずついてくる債権者側の権利です。
今回は不動産売却をご検討中の方に向けて、抵当権とは何かをテーマに抵当権付き不動産の売却方法をご紹介します。
不動産売却をするときは知っておこう!不動産の抵当権とは?
不動産の抵当権とは、住宅ローンがもし返済できなくなった場合に銀行などの債権者に返済を担保する権利のことです。
抵当権が付いている物件は住宅ローンを滞納すると、その不動産は競売にかけられ抵当権者は優先して弁済が受けられます。
現在の日本では基本的にどの金融機関おいても住宅ローンの借り入れと抵当権はセットと考えて良いでしょう。
そのため差し押さえに合わないように滞りなくローンを返済することが大切です。
抵当権は住宅ローンをすべて返済するとはじめて抹消されます。
完済すると自動的に抵当権が消えるのではなく、抹消手続きが必要です。
抵当権の設定・抹消は登記手続きになりますので、司法書士などの専門家に依頼します。
設定や抹消には司法書士報酬などが必要なので、数万円の費用がかかります。
住宅ローン返済中に抵当権付きの不動産を売却する方法は?
住宅ローンは多くの人が30年以上の長い期間返済していきますが、返済途中に住み替えや売却を検討される方も少なくありません。
その場合不動産に抵当権が付いている状態になりますが、抵当権付きの物件でも売却活動自体は可能です。
しかし売買契約までに抵当権を抹消する必要があり、そのためには売却金額を住宅ローン完済に充てる必要があります。
方法としては決済と同時に抵当権を抹消し、所有権移転の登記を行います。
もし売却金額がローン残高を下回るのであれば、住み替えローンを利用したり預貯金などの自己資金で返済することになります。
ここで注意点ですが住み替えローンは金利が高いことも多く、年収などの審査基準も厳しめです。
そのため売却する不動産を査定に出して、ローンを返済できないようであれば資金計画をもう一度見直すことがおすすめです。
また売却には仲介手数料や測定費用、各種税金などの諸費用もかかりますので、それらも事前に試算しておくと安心です。