「テナントリテンション」という、言葉を耳にしたことはありますか?
一言でいうと「入居者保持」であり、入居者にできるかぎり長く住んでもらうための取り組みです。
今回の記事では、賃貸の価値を上昇させる「テナントリテンション」についてご紹介していきたいと思います。
「長く入居」こそ価値ある賃貸経営!?「テナントリテンション」とは?
「テナントリテンション」とは、既存の入居者に長く快適に住んでもらうための取り組みや施策を指します。
ビジネスの世界では、すでにテナントリテンションと同じ考え方が浸透、重要視されてきました。
それには、費用対効果が大きくかかわってきます。
通常、新規客を獲得するには、大きな予算を投じます。
商品を知ってもらうために、広告宣伝費や人件費に力をさきます。
既存顧客が、新規客と違うのは「もう商品の魅力を知っていること」です。
つまり、膨大な広告費などかけずに、既存顧客なら商品を買ってもらうことも可能なのです。
そのため、ビジネスの世界では既存顧客の価値は高く、重視されてきました。
一方、賃貸住宅経営では、かつて礼金を多くもらうほうが収益性も高く、新規の入居者に入ってもらい、回転をあげたほうがよいという考え方があります。
しかし現在では、敷金礼金が0円の賃貸物件も見られるようになっています。
つまり、以前のように礼金をもらうほど、経営に有利とはいえなくなってきています。
そこで、「賃貸の価値をすでに理解している既存の入居者に、いかに長く住んでもらうのか?」というテナントリテンションに、注目が集まっています。
「テナントリテンション」が賃貸住宅の価値を上げる理由とは?
賃貸物件の価値の維持や、向上に役立つといわれる理由もチェックしておきましょう。
まずテナントリテンションには、入居者の募集費用がかかりません。
そのため、支出をおさえて、収益性がアップします。
入居者が長く住んでくれている限り、空室による損失がないのも、物件価値を維持につながる理由のひとつです。
既存の入居者は、安定した収益に貢献します。
退去による工事や、原状回復にかかる費用がないことも利点ですね。
テナントリテンションの具体例としては、入居者の入れ替えで設備を新しくするより、長期入居者の設備を好感し、喜んでもらって入居を続けてもらうことなどです。