所有する物件が事故物件になってしまった場合、無事に売却できるのかどうか不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、事故物件であっても売却は可能です。
しかし、一般的な物件を売却する際とは異なる点が多いため、十分に気を付けなければなりません。
この記事では、事故物件の不動産を売却する方法と売却価格の相場について解説します。
事故物件の不動産を売却する方法とは
事故物件とは「心理的瑕疵あり」の物件のことを言います。
「心理的瑕疵」とは、不動産取引において購入者が心理的に抵抗を感じることです。
法的にしっかりとした定義はありませんが、主な心理的瑕疵の例としてあげられるのは、殺人・自殺・原因不明の死・事故死・死後放置されて特殊清掃がおこなわれた場合などです。
ほかにも、周辺環境が悪かったり、過去の使用用途が好ましくなかったりするような場合も該当します。
後々トラブルになることを防ぐため、事故物件を売却する際にはこのような事故を告知する義務があります。
告知する期間については明確にされていません。
心理的瑕疵はあくまで相手方の心理によって決まります。
数十年前の事件が心理的瑕疵と認められた事例もあるため、期間を目安にして安易に判断するのは危険です。
さらに、事故物件とみなされるのは、物件の室内で事故が発生した場合だけではないという点にも注意が必要です。
マンションの共用部や敷地内の駐車場などで事故が発生していた場合には、建物全体が事故物件とみなされる可能性があります。
事故物件であることを知りつつ、告知せずに売却してしまうと契約解除や損害賠償請求の対象となることもありえますので、しっかりと告知するに越したことはありません。
事故物件の不動産を売却した際の相場
事故物件は心理的に忌避されやすく需要が低いため、一般的な売却価格の相場よりも安くなってしまうことが多いです。
物件で発生した事故の種類によっても、売却価格の相場に差が生じます。
たとえば自然死では1~2割程度、自殺では2~3割程度、殺人事件では4~5割程度、売却価格が下がると言われています。
ただし、買い手が事故物件であっても気にしない場合や、物件の立地や周辺環境が良い場合には高く売れることもあり、一概に安くなるとも言い切れません。
購入者の心理的負担を軽減してより高く売るための手段として、リフォームしたり、ハウスクリーニングを依頼したり、建物を取り壊して更地にする方法があげられます。
できるだけ高く売りたいなら、費用をかけてでも対策して「仲介」で売却するのが基本です。
急いで売りたい場合には「買取」で不動産業者に直接売る方法もありますが、事故物件の相場よりもさらに売却価格が安くなってしまうことを念頭においてください。