アパートやマンションなどの不動産を経営しているオーナーにとって、入居者同士のトラブルはもっとも避けたいことのひとつではないでしょうか。
他人が同じ建物の中に住んでいると、トラブルはどうしても起きてしまうものですが、オーナーの対応ひとつで問題が解決することもこじれることもあります。
今回は不動産のオーナーの方に向けて、入居者間でトラブルが起きてしまったときの対処法と注意点をご紹介します。
入居者間でトラブルが起きてしまった際の対処法とは?
入居者の間で起きたトラブルに対して、管理会社やオーナーがどこまで関与すべきかはケースバイケースです。
オーナー、つまり貸主は法律上借主に不動産を使用・収益させる義務があるため、トラブルが起きた場合、貸主側が責任を取らなくてはいけません。
ただ、ちょっとした生活音や部屋の使い方などの深刻でないトラブルであれば、オーナーではなく当事者間での解決を促すこともできるでしょう。
入居者から苦情が入った場合、まずは状況確認を行います。
騒音問題を例として出して考えると、はじめに苦情の内容を整理し、騒音の発生する時間帯・どこから聞こえるか・頻度などを確認してください。
可能であれば、周囲の入居者からのヒアリングも有効です。
被害状況を把握したら、次は入居者全員に騒音問題が起こっていることを周知します。
共用部分への貼り紙や注意喚起の手紙を投函するのが一般的な方法です。
それでも解決しない場合、トラブルを起こしている当人に直接伝える必要があります。
対応が終了した後は、苦情を訴えていた入居者への連絡も忘れず行いましょう。
入居者間のトラブルが起きてしまった際の注意点とは
入居者間のトラブルを解消する上でオーナー自身が動く場合、いくつかの注意点があります。
まず、オーナーはあくまで客観的な立ち位置を貫くという点です。
入居者間のトラブルは、双方が被害者意識を持っていることも多くあります。
どちらか一方の過失ではなく、両者ともに問題があることも多いため、オーナーが第三者的視点で問題に向き合うことが大切です。
また、苦情を申し出た方を相手に伝えてはいけません。
苦情を言われると少なからず相手に対して不信感がつのり、場合によっては新たなトラブルの元となる可能性があります。
再三告知したにもかかわらず改善されない場合は、問題のある入居者に対して賃貸借契約の解除を検討しなくてはいけません。
貸主から契約を解除するには一定の事由が必要なため、被害証拠や証言などを集め、裁判で争うこととなるでしょう。
契約書などで明文化されていなくとも、貸主は借主が支障なく部屋を使えるようにする義務があると法律上決まっています。
トラブルを未然に防ぐため、1つの建物内でいろいろな方が生活していることを認識してもらい、互いに尊重し合うという意識づけを日々行うことが大切です。